「ダイビングって年齢制限ある?」「沖縄でシニアでも楽に潜れるところはある?」
仕事や子育ても落ち着き自由な時間も増えてくる60代は、まだまだ気持ちは若くバイタリティがある世代ですね!
実際に沖縄に潜りに来るダイバーの中でも、シニア率は年々増加しています。
当店でも、平日など長期滞在のお客様のほとんどはシニアダイバーで、世界屈指の珊瑚の海・沖縄の水中世界を心から楽しんでらっしゃいますよ。
ここでは、60歳以上の方が「楽に」「安全に」そして「エキサイティングに」永くダイビングを続けていく方法をまるっと案内しますね!
60歳以上が潜るときの必要書類とは?
ダイビングを申込むとき、免責同意書と病歴書へのサインはどなたであっても必要となります。
しかし60歳以上の場合、病歴書と併せて、医師の署名入りの「診断書」が必要となってきます。
その診断書には以下の記入欄があります。
・所見(ダイビングに問題がないかどうか)
・医師のサイン
・病院の印鑑
書式は、病院ではなくダイビング指導団体のものをプリントして使用します。各指導団体それぞれ指定の書式は用意してあります。
病院によりますが、費用は4~6千円程となります。
ダイビングの申込であれば、診断書はコピーでOKで、有効期間は1年間です。 診断書の提出は、もしも自分の体調不良が原因で、ダイビング中に他のダイバーを危険に晒してしまったり、それにより訴えられてしまった時に自分を保護するものにもなってくるので、大切なことです。
シニアダイビングの気になるリスクと回避法
60歳以上の方がダイビングをするにあたって、懸念されることは以下となります。
- 身体機能・生理的なこと
- 体力・筋力的なこと
- 不安感・自信がない
一言に60代といっても、かなり個人差はありますが、ダイビングをするような方は、まだまだ活発でぜんぜん元気な方がほとんど。
しかし、自分が思っているのと、身体の衰えとの間にギャップが生まれ始まるのも、正直否めないのではないでしょうか。
シニアダイビングで起こってくること
車で例えれば、新車だと加速も燃費も足回りも良かったけど、10万キロ超えると、あちこちガタがきてオイル漏れやボディが錆たり・・・
人間もまったく同じで、身体の各機能(呼吸機能・循環機能・消化吸収機能・排泄機能・運動機能・感覚機能・神経機能)が、それまでと比べ低下してきます。これはどうしても皆さん平等に起きることです。
ダイビングで言うと、具体的には以下のことが起こってきます。
- のどが渇く
- トイレが近くなる
- 潜行やエキジットに手間取る
- 疲れる
場合によっては、上記が原因でダイビングを断念する方もいらっしゃるので要注意です。
快適に安心してダイビングする心得
シニアダイバーが、トラブルを回避するには以下の点を注意してみてください。
- こまめな水分補給
- トイレのあるボートを利用
- 利尿作用のあるものや冷たい飲み物を避ける
- スタッフのサポートが得られるサービスを利用
- 控えめなスケジュール
もし持病があったり、人工透析(沖縄では徳洲会などが離島でも対応)が必要な方であれば、それに対応できる施設が近くにある場所を選択するのがオススメです。
体力的に楽なダイビング方法
ダイビング中に体力(筋力)をより使うのは、エントリー前とエキジット(水から上がる)の時、また海況によることがほとんど。
それは、事前に確認したり申告しておくことで、それらを極力回避できて、快適に楽にすることができます。
エントリーの時
ダイビング開始時の流れは以下です。
- 器材セッティング
- ブリーフィング
- 器材装着
- 水面移動
- 潜行
まず、器材のセッティングですが、もしレンタルで自信がないなら、その旨をガイドに事前に言っておけば、ショップによってはスタッフが手伝ってくれます。
とくに炎天下やボートの排気ガス(よくある)に晒される環境だと、体力を消耗するどころか頭痛の原因にもなりますのでお願いするのが賢明です。
セッティングされた器材のチェックはくれぐれも忘れずに!
ブリーフィング(ダイブ前の説明)は、ガイドによってはとても細かく説明も長くなることがあります。
とくに炎天下の場合は、日陰に移動したり帽子などで日差しを遮ったりするとよいです。
ボート移動が長いときは、なるべく楽な場所で座らせてもらうようにし、エントリー前にもう一度トイレに行っておけば安心です。
器材の装着は、とくにボートが揺れる時には疲れるどころか思わぬ怪我の原因となります。
必ずスタッフやバディーの助けを借りるようにしましょう。
ボートダイブの場合、水面へエントリーした後にボートの先のアンカーロープまで水面移動することが多々あります。そのときはボート上のなるべくそのロープの近くからエントリーし、水面移動するときは顔を水面から上げず、身体を横に(水面と平行)して速やかに移動すると楽です。
潜行は、焦らなくて良いですからゆっくり確実に!
- まずロープをつかんだら動きを止め
- そして息を整え
- 急がずしっかりBCDから排気確実(これおろそかな方多いです)
- しっかり水底を目視
- ゆっくりとロープを使って潜行
あとはこまめな耳抜きだけ注意すればOKです。
エキジットの時
水から上がる際の流れとしては以下となります。
- 安全停止
- 器材脱装
- 船内移動
無重力で自由な水中での時間から浮世の現実へ戻るとき、トラブルやケガとなるケースが一番多いです。
船に上がる前の安全停止中、はっと気が付いたら自分だけ浮いてしまって慌てたり、逆にいつのまにか沈んでて耳抜きのトラブル起きたり・・・というのはダイバーなら一度は体験しているかもですね。
とくに慣れたダイバーになると、安全停止中にロープを利用しない方もいますが、イントラの立場から言えば、ロープを有効に賢く利用しているダイバーの方を評価します。「今さらロープなど要りません」という気持ちも察しますが、遠慮なくロープ使ってください。楽チンですよ。その際ロープ掴んでても中性浮力となるようBC調整と深度チェックはお忘れなく!
そして水から上がるとき、スッカリわすれていた「重力」をいやおうなしに思い知らされる瞬間ですねw
カメラなども預けて両手フリーにするのは勿論、可能であれば、BC・ウェイト・フィンなどは外した状態で上がれば楽です。あらかじめガイドやスタッフに伝えておくことオススメします。
それと、エキジット直後にトイレに行くときなど、事故がとても多いです!
それでなくともヨタヨタしてる上に、濡れて滑りやすく揺れるボートでは、思わぬ転倒が本当に多いんですよ。無理せずスタッフの手を借りたり手すりを利用したり、特に慎重に心がけてください!
海況への対応
一般的に、潜る環境的に変化する点は以下です。
- 風
- 波
- 流れ
- 透視度
- 水温
基本的には、海況不良時のダイビングはお勧めしませんが、もしダイビング中にコンディションが変わってくることも想定しておく必要はあります。
まず風が吹くことにより、水面で波や流れが生じることはよくあります。
遠目で見てるとさほどでないけど、水面だとマスクごしのビジュアルはザバザバしてて慌ててしまいます。
でも、平たく言えば水面が多少上下しているだけで、スキューバの場合は大きな問題ではありません。水面ではレギュレーターから落ち着いてしっかり呼吸し、流されないよう身体を横にして確実に進めば大きな問題にはなりません。もしロープがあるのなら利用すれば大丈夫です。
また、透視度が急に落ちることもダイビング中にはよくあること。フィンでの巻上げなどでのニゴリは経験したことあるかもですね。また伊豆などでは春濁りの時期、透視度3mもない水中でウミウシのマクロ写真を撮るといったダイビングの楽しみ方もあります。
透明度が悪いということは、それ自体が危険をもたらすことはありませんが、「はぐれる」「パニクる」といった二次的なトラブルに、すぐ発展してしまうのが問題です。
そんな時でも、しっかり呼吸を意識して視野を広くし、「最悪でもゆっくり浮上すれば大丈夫」と頭において、はぐれないようコンタクトをより維持しながら落ち着いて行動すれば、息が上がり緊張で力が入ったりして疲れることもなく、ダイビングの目的を達成することは可能です。
そして水温、これは疲れに直結するポイントなので知っておく必要があります。
もちろん、シニアだからと言って水温が高い南国や沖縄だけで潜らなければいけない、といったことではなく、その時の気温や気候や水温に合ったスーツを選択するといったことが重要となります。
沖縄の場合は、11月ごろまでは夏の水温のままですが、1~5月は水温が低く、とくにGWのころは気温は30度近い真夏日であっても、水温が真冬と大差がないため、そのギャップにビックリしてしまう方が殆ど。
また、エントリーした瞬間「ヒヤッ」っとしても、10秒後にはその冷たさあまり感じなくなった経験もあるかと思います。しかしそれは脳がその感覚をマヒさせた事による為で、身体はしっかり冷えていきます。
ダイビング終了後、眠~くなりませんか?それは身体が冷えたことで体力(熱)を奪われたことによるものなんですよ。まぁそのけだるさが気持ちいいというダイバーもおりますがw
シニアに優しいダイビング器材とは?
このところのダイビング人気は老若男女問わずに浸透して、それによりダイビング器材メーカーも、キッズ用だけでなくシニア用というカテゴリーのダイビング器材を開発しています。
ウェットスーツは、脱ぎ気がとてもしやすい伸び伸び素材があったり、肘やヒザまでの長~い手足ファスナーがあります。
レギュレーターだと、あごに負担のかからない特殊素材でできた超軽量2ndや、とても柔らかいフレックスホースがあります。
また自分の歯型に合わせて熱形成することで、あごの違和感を解消できるマウスピースもあるんですよ!
顔に直接触れることとなるマスクは、顔に当たる部分のシリコンの硬度や形に工夫を凝らし、浸水が少なく顔に跡がつかないマスクがあり、わたしも愛用しています^^
また文字が大きいダイビングコンピューターは、水中でもとても見やすく腕を遠ざけなくて済みます。
例えば車も、運転がすごく楽で、バックが簡単で、乗り降りしやすく、安全装備が充実してて、燃費が良い、といったものだと運転するのも楽しくなり、行動範囲が広がりますよね?
ダイビングも「器材なんて慣れればどれも同じ!」というベテランダイバーもいますが、
- スルッと着脱できるスーツ
- 顔に跡がつかず浸水のないマスク
- くわえやすく軽~いレギュレーター
- 柔らかく楽~に進むフィン
こういったダイビング器材使うだけでも、ダイビングのイメージがガラリとかわり、安全面や快適性はもちろん楽しさまでワンランクアップできるものです。
【シニアおすすめ】楽でエキサイティングなダイビングスポット3選
※2022年5月現在、新型コロナにより日本から潜りに行ける海外はまだ限られております。
世界中にはいろんなダイブスポットありますが、
- 移動時間が短い
- 流れがきつくない
- 見どころいっぱい
- ホスピタリティが良い
上記の条件が揃ってて、シニアダイバーでも「楽に」「安全に」「エキサイティング」なダイビングが楽しめる所となると、以下のスポット3つをオススメします。
【安心の国内】世界屈指のサンゴの海・・・沖縄
これまで世界中の海を潜ってきて、いろんな意味で私が心を鷲掴みにされたのは、ここ沖縄の海。
そしてなぜ、沖縄の海がシニアダイバーにオススメなのか?
まず一つ目として、那覇空港へは全国各地から航空便があり、移動が楽で安く早く来れるのが大きな魅力。
そして年間通していつ来ても透明度が良くサンゴがとてもキレイなこと!たとえば大都会・那覇の目の前に見えるケラマ諸島など、そのサンゴの綺麗さは、世界中の水中フォトグラファーから絶賛され注目を集めています。
また、高齢者にとって「国内」という安心も大きいです。
何かあった時の航空会社や宿泊施設などの対応、まあた医療体制は、世界のどの国よりもピカイチであることは間違いありません。 ボートで5分も出れば、穏やかで流れもないサンゴの海で、ダイナミックな地形や、マンタなど大物に出逢えるところなんて、日本だと沖縄だけではないでしょうか?
【生き物天国】大物・群れ・レアもの満載・・・フィリピン
日本からは短時間で行けて、移動が楽な南の島フィリピン。
フィリピンにはダイビングで有名なエリアはたくさんありますが、
そのなかでも「セブ」は日本人ダイバーにも馴染みがあり、日本人経営のダイブショップも多いので安心してオススメできます。
セブといっても、空港のあるマクタン島ステイでそこからのデイトリップダイビングもありますが、
シニアダイバーにオススメなのはセブ島の南部エリア。
空港からは陸路で3~4時間ほどかかりますが、着いてしまえばリゾートもこじんまりしていてプライベート感がありユッタリできます。
ダイビングポイントとして有名なのは、ジンベイザメに逢えるオスロブや、白砂がキレイなスミロン島、またレアものがワンサカなリロアンなど、どこもほど近く海況も穏やかなことが多いです。
そして、なんといってもフィリピンのいいところは「殿様・お姫様ダイビング」ができること!
器材運びやセッティングはもちろん、装着は座ってるだけで全てやってくれて、船に上がるときは器材もウェイトもフィンも全て外してくれて、洗浄も片付けも全~んぶスタッフがやってくれます。 フィリピン人って家族や年配者にとても優しいんですよ~沖縄とよく似ています。ダイビングスタッフもとても気が利くし、こちらの気になることやリクエストにも親身になって答えてくれます。そんなフィリピンの虜になってしまうダイバーも多いんですよ!
【スーパーブルー】白砂・地・沈船そして驚愕の透明度・・・ミクロネシア
身近に行ける海外としては昔から知られたミクロネシア。
中でもシニアダイバーにオススメなのはサイパンです。
サイパンは適度に田舎で且つホテル施設は近代的で買い物などにも困りません。
そして、ここのダイビングではなんといっても「世界有数の透明度」が見どころ。
太平洋ど真ん中で潮通しが良く、流れがあるときもありますが、逆に流れがあるところでは潜れないので、潜るポイントは基本的にはイージーなところがほとんど。
ボートポイントもさほど遠くなく、4~6月の流れのない時間帯なら狙える「スポットライト」というポイントは、洞窟の奥深くにある天井の穴から降りてくるブルーの光は、この世のものとは思えないほど神秘的です。
またボートで少し遠征したお隣テニアン島の人気ポイント「ナフタン」は、切り立ったドロップオフのずっと下、水深70m以上の水底がどこまでも見渡せる驚愕の水中景観!見ごたえ満点です。 一昔前のパックツアーブームが去り、チャラチャラ感がなくなって大人のダイバーがじっくり楽しめるようになったサイパン。日本の近くにあるこんなすごい水中世界にビックリすること保証します。
シニアダイビングのまとめ
- 自覚
- 控えめに
- スタッフ有効利用
- ポイント選択
体力には自信がなくなってきたけど、ダイナミックな水中世界を堪能したいシニアダイバーなら、まず無理は避けて余裕を持ったスケジュールにして、ホスピタリティーの良いダイビングサービスがある近場の南の島であれば、楽に安全にエキサイティングな水中世界をまだまだ満喫できますよ!