「あれ息が吸えない!」「息苦しくて怖い!」「なんだかハァハァドキドキ!」

まっきー

ダイビング中に「息が苦しい!」と感じたことありませんか?
初心者からベテランまで起こりうる「過呼吸」は、その仕組みを知り呼吸の簡単なコツさえマスターすれば確実に防げるものです。
ここでは水中での呼吸のメカニズムから、万が一の対処法をわかりやすく書きますね!

なぜダイビング中に過呼吸がおきるのか?

水中での呼吸は、いくつかの点において陸上とは全く異なります。
まずは「なぜ息苦しくなるのか」という生理的な理由を理解することが大事です。

「吸う」意識にとらわれ吐けていない

陸上と違い、水中では物理的に「吸う」ことは容易なのですが、「吐く」動作は無意識だときちんと吐ききれずに空気が肺に残ってしまいます。
慣れてなかったりすると水中ではつい「吸う」ことに必死になります。しかし、ダイビングでは「しっかり吐く」ことが最優先です。肺の中に古い空気が残ったままだと、新しい空気が入るスペースがなくなり、呼吸の効率が劇的に低下します。

二酸化炭素の蓄積が引き金

人間が「息を吸いたい」と感じる強い衝動は、酸素の不足ではなく、体内の二酸化炭素濃度が上がることで起こります。吐き切れてない呼吸や浅く速い呼吸を繰り返すと、肺の奥のガス交換がうまくいかず、CO2が溜まってしまい、さらに息苦しくなる悪循環に陥ります。

呼吸抵抗の影響

深度が深くなるほど空気は濃くなり、吸い込む際に肺にかかる抵抗が増します。陸上と同じ感覚で呼吸しようとすると、無意識のうちに喉や胸の筋肉を使いすぎ、それが疲労と息切れを招く原因となります。

心の問題?メンタルから始まる過呼吸とパニック

身体的や物理的な要因だけでなく、
ダイビングでは心理的な内側のストレスが、呼吸を乱す大きな要因となります。

圧迫感と閉所恐怖感

「水中」という本来人間は呼吸ができない場所で、ギュレーターを口に咥え、マスクで鼻を覆われるといった環境は、脳に「不自然な状態」だと認識させます。このわずかなストレスが、視界の悪さや透明度の低下などネガティブな二次的要因と重なると、脳がパニック信号を出し、呼吸を速めてしまいます。

スキルへの不安と緊張

「耳抜きできるかなぁ」「浮力コントロールの自信ない」「グループから遅れたらどうしよう」といった不安は、交感神経を有位にします。緊張するとアゴや肩に力が入り、呼吸が浅くなるため、ダイビング開始直後のエントリー付近で過呼吸が起きやすくなります。

「パニックの連鎖」を知る

少しの息切れを「何かおかしい」と過剰に不安視することで、心拍数が上がり、さらに呼吸が速くなり、にっちもさっちもいかなくなるのがパニックの正体です。この「パニックの階段」を上り始める前に、自分自身の変化に気づくことが重要です

装備と環境が呼吸に与える影響

意外と見落としがちなのが、器材と周囲の環境に関することなので要チェック!

ウエットスーツやBCDによる締め付け

首回りや胸部が窮屈なウエットスーツは、肺の膨らみを阻害します。体形の変化や縮んでしまったスーツ、レンタルスーツのサイズが合ってない、またインナーにより締付が増すことが主な原因。
BCDのチェストストラップの締めすぎも、思いのほか胸部を圧迫するので要注意。
エキジット後に「苦しかったのはスーツやBCDのせいだった」と気づくケースも少なくありません。

レギュレーターの調整と不調

整備不良のレギュレーターは吸気と呼気に抵抗が増してきます。吸い心地が重いレギュレーターを使い続けると、呼吸をするために余計なエネルギーを消費します。またマウスピースの亀裂からの浸水や、フリーフロー(空気が漏れ続ける状態)への恐怖から、無意識に呼吸を控えてしまうことも息苦しさの原因になりますので、注意が必要。

潮流や過度な運動量

水中の抵抗は陸上の800倍と言われてます。ダイビング中は潮の流れが発生することは珍しいことではなく、強い流れに逆らって泳ぐ場合は陸上での全力疾走と同じ状態となります。水中で激しく動くと、レギュレーターからの空気供給量以上に酸素が必要となり、呼吸しても息苦しさが解消しない恐怖感に襲われます。

4. 過呼吸を防ぐ!水中での正しい呼吸法とトレーニング

ダイビングを快適にするための、具体的で効果的な呼吸のコツを伝授します。

準備段階から意識しておくこと

スーツを着たり思い器材を背負って歩いたりすることで息が上がってしまうと、エントリー後も呼吸が乱れた状態となってしまいます。バディやスタッフに手伝ってもらったり、動作をゆっくり力まずに行うことはとても大事なので意識しておきましょう。

「吸う1:吐く2」のリズムを意識する

最も基本的なスキルは、意識して「細く長く吐く」ことです。4秒かけて吸ったら8秒かけて吐き出すようなイメージを持ちましょう。しっかり吐き切ることで、次の新鮮な空気が自然と肺に入ってきます。
吐くときのコツとしては、ガバッっと吐かずに「ポコポコ~ッ」と吐き始めを小さくすると長く吐くことができます。浮力コントロールに幅が持てるようにもなるので、ぜひやってみてくださいね。

腹式呼吸をマスターする

胸だけで呼吸する「胸式呼吸」は浅くなりがちです。お腹のヘソの辺りを膨らませる「腹式呼吸」を意識することで、肺の容量を最大限に使い、リラックス効果のある副交感神経を刺激することができます。

陸上でのイメージトレーニング

「水中で苦しくなったらどうするか」を陸上でシミュレーションしておくことが大切です。目を閉じてレギュレーターを咥えている自分を想像し、ゆっくりとしたリズムで「細く深呼吸」をする練習をルーティン化しましょう。

もし水中で「苦しい」と感じたら?即実践できる対処法

万が一、過呼吸になりかけた時にあなたを救う3つのステップです。

ストップ、ブリーズ、シンク、アクト(停止・呼吸・思考・行動)

これはダイビングのトラブル対処の鉄則です。まずは動きを止め、岩などを掴んで体を固定します。次に呼吸を整えることに全神経を集中させ、落ち着いたら状況を考え、最後に行動(サインを出す等)に移ります。

バディやガイドに「異常」を早めに知らせる

我慢は禁物です。少しでも息が上がったら、バディやガイドに「少し疲れた」「呼吸が苦しい」というサイン(首のあたりを指さす、あるいは手を振るなど)を送り、共有しましょう。誰かが見守ってくれているという安心感が、呼吸を落ち着かせます。
サイン(ハンドシグナル)はエントリー前に予め確認しておくと安心です。

視点を変えてリラックスする

パニックになりそうな時は、あえて遠くの青い海を見たり、あるいは目の前の小さな生き物に集中したりして、内面に向いている不安を外に逸らします。体の力をダラ~ンと抜き、ゆっくり5回ほどしっかり吐ききることを繰り返すだけで、多くの場合パニックは収まります。

スキルアップで過呼吸を克服する

水中でのダイビングスキルのブラッシュアップと経験値を積むことで、呼吸の悩みは必ず解消されます。

中性浮力を極めて無駄な動きを減らす

体が浮き沈みしていると、それを補正するために手足を動かし、呼吸が乱れます。ピタッと止まれる「中性浮力」が身につくと、最小限の呼吸とムダのない動きで水中を滑るように進めるようになります。

スキルアップコースの受講

ピタッと止まれるスキルを養う浮力コントロールに特化したSPコースや、自分のためだけでなくバディの異変に気づくレスキュートレーニングを積むことで、自分自身のコントロール能力が飛躍的に向上します。トラブルへの対処法を知っているという自信が、心の余裕を生むので受講する価値ありです。

ログブックで呼吸のリズムを振り返る

ダイビング後、「どのタイミングで息が上がったか」をメモしておきましょう。「エントリー直後だった」「逆潮の時だった」とパターンを知ることで、次回の対策が立てやすくなります。

FAQ:よくある質問と回答

Q
ダイビング前に「深呼吸」をたくさんしておくのは有効ですか?
A

いえ、むしろ逆効果になる場合があります。陸上で過度な深呼吸(ハイパーベンチレーション)を行うと、体内の二酸化炭素が減りすぎてしまい、水中で「息を吸いたい」という信号が遅れる「シャローウォーター・ブラックアウト」を招く危険があります。自然な深呼吸にとどめましょう。

Q
過呼吸になりやすい体質ってありますか?
A

特定の体質というよりは、不安を感じやすい方や、運動不足で心肺機能が一時的に低下している時に起きやすくなります。また、喘息などの既往歴がある方は、必ず専門医に相談してください。

Q
マスクに水が入るとパニックになり、呼吸が乱れます。
A

マスククリアが苦手だと、鼻から水が入る恐怖で呼吸が速まります。足の着く浅い場所やプールで、マスクに水を入れた状態での呼吸練習を繰り返すと、劇的に改善します。

Q
経験本数が増えれば、過呼吸はなくなりますか?
A

慣れによって頻度は減りますが、プロでも体調や環境次第で起こり得ます。「自分は大丈夫」と過信せず、常に自分の呼吸の音を聞く習慣を持つことが大切です。

Q
息苦しい時、すぐに浮上してもいいですか?
A

いえ、急浮上は減圧症や肺の損傷のリスクがあるため、最も危険です。まずはその場で止まり、BCに給気して浮力を確保し、呼吸を整えてから、ガイドと一緒にゆっくり浮上しましょう。

Q
ダイビング後の頭痛は過呼吸と関係ありますか?
A

はい。過呼吸や呼吸の我慢(スキップ呼吸)によって体内に二酸化炭素が溜まると、血管が拡張して激しい頭痛(CO2頭痛)を引き起こすことがあります。

Q
タバコは過呼吸に影響しますか?
A

はい。喫煙は肺のガス交換効率を下げ心拍数を上げやすくするため、呼吸が乱れるリスクを高めます。ダイビング当日は控えることを強くお勧めします。

Q
緊張を和らげる魔法の言葉はありますか?
A

「吐けば吸える」と心の中で唱えてください。吸うことではなく、吐くことに意識を集中させるための、ダイバーにとっての魔法のフレーズです。

水中で怖い思いをした方が再チャレンジで成功する秘訣>>

まっきー

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